神姫観光バス株式会社

神姫観光バス株式会社 代表取締役社長高橋 伸弘様

2015年9月、神姫観光バス株式会社(兵庫県姫路市)に19台のZOLL AED Plusが設置されました。
神姫バスグループ全体の"安全を提供する"という取り組みの一環としての今回のAED導入について、代表取締役社長高橋 伸弘様へのインタビューをもとにご紹介いたします。

設置状況

設置状況

ZOLL AED Plus19台のうち、3台は特殊車両に設置しました。うち2両は、「プレミアム」と呼ばれるツアー専用の特別仕様車で、もう1両はリフト付車両となっており、AEDは特別な設備の一つとして位置づけています。6台は高速バスに設置しました。これは、高速バスの運行が主に夜間であること、知らない方が乗り合わせることから設置されました。貸切ツアーの場合は、参加者の方が必要に応じて、ご自身でAEDを準備される場合もありますが、知らない方が乗り合わせる高速バスでは、そのような備えがないためです。さらに、5つの事業所に各2台ずつ設置しました。これは、事務所での使用のためだけではなく、車両へ積み込んでの使用も想定されています。特に学校、敬老会、自治会等でバスが使用される場合には、バスに装備するようにしています。

AED導入までの経緯

AED導入までの経緯

バス業界での大きな変化として、昨年度の貸切バス運賃制度の見直しが挙げられます。それ以前は価格競争が激化しており、設備への投資等が難しい状況でした。しかし、この制度見直しにより、"運賃に安全のコストを含める"ことが可能となりました。そこで、「会社としてお客様に提供できることは何か?」を検討した結果、安心を提供することの一つの取り組みとしてAED設置を決定しました。最近AEDについては、ニュース等で耳にする機会も多くなり、必要性を感じていたところでしたので、良いきっかけになったと思っています。また、今回のAED設置の際に考慮したこととしては、地元への貢献ということが挙げられます。特に本社がある姫路が観光地であるということもあり、また地元の学校の修学旅行等で利用いただくこともあるため、AED設置は、生徒さん、さらにお子さんを預けるご両親にとっても安心を与えられる取り組みのひとつであると思っています。

AED選定のポイント

AEDの選定においては、緊急時でも慌てずに使えることと、誰でもより簡単に使えることを重視しました。バスの車内に設置されたAEDは、乗務員のみが使用するとは限りません。乗客の皆さんや、バスの停車中に近くの施設の方等、一般の方が使用される可能性もあるかと思います。そのような状況を考慮して、使いやすさをポイントに選定を行いました。ZOLL AED Plusは操作が簡単で使いやすいことはもちろん、胸骨圧迫をサポートしてくれる機能もついており、緊急時でも適切な処置を行うことができると思います。乗務員からも使いやすいという評価を聞いています。

設置画像
設置場所遠景

本文中の組織名、所属名、役職名などはすべて取材時のものです。

今後の取り組み

今後の取り組み

今後は、特に事業所に設置されているAEDを積極的にバスに持ち込み、皆さんに周知していきたいと思っています。さらに、お客様のご要望により増設していく予定です。AEDの使用方法については、導入時に全員が説明を受けていますが、今後も、定期的に実施している全従業員向けの救命講習会の中でも、説明を行っていくつもりです。この救命講習と合わせて、従業員に対してAEDへの関心を持ち続けるような意識づけをしていきたいと考えています。AEDの使用頻度は、それほど多くないと聞いています。使用しないことにより、関心が低くなってしまうことのないように、講習会などを通して、常に意識を持つことが重要であることを伝えていきたいと思っています。バスの運行において、安全はすべてに優先します。さらに安心を提供していくことも重要です。その中の一つの取り組みとして、今回AEDを設置しました。AEDを使用するような状況がないことが望ましいですが、万が一の場合には、AEDにより救命できるという安心を利用される方に持っていただけたらと思っています。