2017年8月、二本松物流株式会社が経営するファミリーマート羽咋千里浜インター店にAED Plusが設置されました。
コンビニエンスストアは多くの店舗が24時間営業しており、AEDの設置が望まれる場所ではありますが、経営の体制等によりなかなか実現しにくいのが現状です。今回設置が実現した背景には、発案された店長さんとその発案を即座に承諾した経営会社の地域・社会貢献への意識の高さがありました。
キーマンとなったお二方へのインタビューをもとに、今回の導入事例についてご紹介いたします。
二本松物流株式会社は平成5年に設立された、石川県野々市市に本社を置く運送会社です。
「お客様のありがとうにもっともっとお応えしたい」を創業時以来の理念としており、「"Prosper Support" - お客様の繁栄を支える縁の下の力持ち」を目指し、北陸と全国をつなぐ多様な物流サービスを提供しています。またその他事業として、コンビニエンスストアの経営も行っています。
AED 導入のきっかけとなったのは、2008年10月、仕事中に社員(60代男性)が倒れて、救急車を呼ぶという事態が発生したことです。AEDを使用する状況ではありませんでしたが、AEDが普及し始めていたこともあり、社内への設置を決定しました。
翌年2009年にまず本社から設置を開始し、その後各事業所へと拡大していきました。初期設置時にはいざという時に使用できるように、白山市消防本部へ依頼し、希望者約30名を対象に講習を実施していただきました。
AED設置後、幸い使用されるような状況はありませんでしたが、5年後の更新時には更新を決定し、さらにZOLL AED Plusへ機種を変更しました。
ZOLL AED Plus は、保証期間の5年間は消耗品を追加で購入する必要がなく、また交換の頻度も少なくて済むので、管理の手間を省くことができます。また、電極パッドが一体型になっており貼る場所がわかりやすいので、いざという時には使いやすいと思います。さらに、販売代理店さんの手厚いサポートも変更の要因です。
今回コンビニエンスストアにもZOLL AED Plusを導入しましたが、店長からの要望がきっかけでした。羽咋千里浜は、観光客が多く水難事故も発生しておりますので、設置AEDが増えることにより、お客様が使用できる可能性も増えると思い、導入を決定しました。
多くのコンビニエンスストアと同様に、こちらの店舗も24時間営業を行っていますので、AEDを設置していれば、近隣地域で何かあった時には、AEDを持ち出していただくこともできますし、観光でいらっしゃる方も多い場所ですので、社会的責任という観点からもAEDが必要であると考えました。
経営会社である二本松物流もこの考えに共感してくれ、スムーズに設置が決定しました。設置前にはスタッフ数名が消防署での講習を受講しています。
機種選定においては羽咋消防本部にも意見を伺いましたが、ZOLL AED Plusには胸骨圧迫をサポートしてくれる機能があると教えていただきましたし、二本松物流でも設置されているということで、ZOLL AED Plusを選定しました。
AEDはいつ使用するかわからない機器なので、忘れてしまうことがないように、毎日朝、昼、夜と勤務シフトが変わる際には、AEDについても確認を行っていますし、定期的に講習を受講しているスタッフもいます。
現在はまだ、コンビニエンスストアへのAEDの設置がなかなか進んでいませんが、AEDの設置が当たり前となるような日が早く来るよう、私自身も積極的に働きかけていけたらと思っています。
千里浜なぎさドライブウェイは南北約8キロメートルに延びる砂浜であり、波打ち際を車で走ることができる日本で唯一のドライブウェイです。
夏場はマリンスポーツや海水浴などでにぎわい、なぎさから見る夕日は絶景です。
本文中の組織名、所属名、役職名などはすべて取材時のものです。