2017年9~11月にかけて、株式会社寺岡精工の全国77拠点に86台のZOLL AED Plusが設置されました。
コーポレートサービス部 本部長 岩崎 義孝様へのインタビューをもとに、今回の導入事例についてご紹介いたします。
株式会社寺岡精工は、流通小売業、製造業などの企業をお客様として、電子はかりやレジのシステムなどを開発・製造・販売しています。私たちの強みは、お客様も気づいていない隠れたニーズを見つけ出し、これまで世になかった商品を独自に生み出す発想力。バーコードの読み取りは店員、支払いは来店客が行う「セミセルフレジ」は当社が初めて開発したもので、スーパーマーケットなどで多数採用いただいています。
当社は以前から、東京本社と大阪営業所に計9台のAEDを設置していましたが、正直なところ長年「ただ置いてあるだけ」の存在でした。見直すきっかけとなったのが、2017年に、社員の一人が出張先で突然倒れるという事態が発生してしまったことです。その時車に同乗していた別の社員が、急いで近くのガソリンスタンドに助けを求めました。すると幸いにも、たまたまそこにAEDがあり、かつ店員の方が救命講習を受けており、迅速にAEDの使用、胸骨圧迫の初期対応をしてくださったのです。その後社員は無事回復し、後遺症も残りませんでした。いざというときに、そこにAEDがあるか。それを使える人がいるか。それが、大切な社員の命を左右する。その事実を、まざまざと突きつけられた出来事でした。そこからすぐに、規模の大小にからわらず全国の拠点にAEDを設置し、かつ全 社員がそれを使える体制を整えることを決めました。
一番のポイントは、ZOLL AED Plusに胸骨圧迫ヘルプ機能がついていたことです。胸骨圧迫はかなりの力を込めて、一定の時間継続して行わなければなりませんが、それを迷わずできる人はほんの一握りでしょう。結果として、力が足りなかったり、時間が短かったりして、正しく行えないという状況は十分に起こり得ます。胸骨圧迫ヘルプ機能は「もっと強く」「有効です」とリードしてくれるため安心して圧迫できる上、疲れて力が弱くなってきたこともわかるので、他の人と交代するタイミングも見極められます。さらに、体に装着する部分が一体型パッドのため「どこに何を置くか」で迷うこともありません。ZOLL AED Plusであれば、全社員が正しく初期対応を行える。そう確信できたことが、決め手になりました。
導入後は早速、全拠点で講習を実施し、社員に使用方法を学んでもらいました。今後も継続し、いざというときに全社員が、迷わず仲間の命を助けられる状態を作っていきたいと考えています。
設置後、AED使用の場面に遭遇したことのある社員からは「本当に安心できる」という声が上 がっています。一方でそのような経験がなく、自身の健康にも不安がない人は、直接的にはメリットを実感しにくいかもしれません。それでも、AEDが身近にあり、それを使える同僚がいることは、「安心できる職場」という、働く上での大切な基盤の一つになります。社員には、しっかりとした基盤に安心して、思いっきりチャレンジしてほしい。そうして、これからも世の中にないものを生み出していってほしい。そう思っています。
AEDは、社会にもっと普及すべきものです。当社の社員を救ってくれたのはガソリンスタンドでしたが、中にはまだ設置されていない店舗も多いと聞きます。当社も自分たちにできることとして、AEDを外からも目につきやすいところに設置して地域の方にも使っていただきやすくしたり、当社の企業内保育所への設置、グループ会社への設置も後押ししています。旭化成ゾールメディカルにもぜひ、まだ世の 中にない優れた製品を、生み出し続けていってほしいですね。
本文中の組織名、所属名、役職名などはすべて取材時のものです。