今まで元気だった人が突然倒れてそのまま帰らぬ人になってしまう突然死。
前触れもなく、お別れする猶予もない死は、本人にとって非常に不本意なばかりでなく、家族や周囲にも大きなショックと悲しみを与えます。
日本救急医学会では、突然死を「交通事故などの外因死を除いて、通常の生活を営んでいた、健康に見える人が急速に死に至ること」と説明しています*1。
めったに起こらない特別なケースと思われがちですが、日本人の総死亡のうち、約10~20%は突然死です*2。
*1 日本救急医学会 医学用語解説集
*2 日職災医誌, 62:57-64, 2014
突然死のうち心臓が原因で起こるものを心臓突然死といいます。
心臓突然死は、突然死全体の約6割を占め、日本においては年間約6~7万人が心臓突然死によって命を落としています*3。これは1日あたり約160人の方が心臓突然死で亡くなる計算になり、決して軽視できません。
心臓突然死の主要な原因は致死性不整脈です。
*3 日内会誌, 106:253-258, 2017
不整脈とは、心臓の拍動のリズムが不規則であったり、極端に頻度が高かったり低かったりする状態をいいます。不整脈の中でも放置していると短時間で死に至る危険性の高い不整脈を特に致死性不整脈といいます。心室頻拍(Ventricular Tachycardia:VT)や心室細動(Ventricular Fibrillation:VF)は致死性不整脈の代表的なもので、心臓の働きを担う主役である心室(心臓の下の部屋)に異常な脈が生じ、心室がけいれん状態やそれに近い状態になる不整脈です。心室がけいれん状態になった心臓は、血液を体内に送ることができず、心臓の機能を果たすことができません。これらの不整脈が発生したら迅速な除細動治療(電気ショック)を行わなければ心臓突然死に至ります。
致死性不整脈が起こったらすぐに心拍を正常に戻す電気的除細動の治療(電気ショック)を行うことで、心臓突然死を防ぐことができます*4。
長期的な治療方針を決定するまでの間、着用型自動除細動器(WCD)は着ているだけで突然の致死性不整脈による心臓突然死からあなたの心臓を守ります。